余命について考える
お義母さんが「肺がん」と宣告されたとき。
「そうは言っても5年ぐらいは生きるんでしょ?」と思った。
その直後、骨盤にも転移していると言われたとき。
「治療さえすれば3年くらいは…」と思った。
病院の待合室で「生存率についてのビデオ」を見てしまった時。
「いや。でも。元気だし。2年は生きるでしょう」
お義母さんがなぞのできものが頭にあると言った時。
「…やばくない?1年半もつかな?」
衰弱して帯状疱疹が出て緊急入院になった時。
「1年かもしれない」
脳に影があると言われた時。
「半年生きられるの!?」
私の中でどんどん「余命の棒グラフ」が縮んでいく。
正直に言わせてもらうと、実の母親でなくてよかったって思いがある。
自分の母親だったら、自分の夫だったら、今頃どうなってるんだろう?私。
でも、私の隣には彼女の実の息子がいて、彼女の夫がいる。
彼らは(もしかしたら治るかも!)と思っているかな。
そうは思っていなくても(死ぬのはまだ先のこと)と思っているだろう。
思い込もうとしているだろう。
(なんかごめん)と私は思う。
義母の面倒は私が一番見ているけど、どこかでちょっと他人事。
こんな自分は少し冷たいのかなとたまにへこむ。
私が本当の娘だったら、医者に宣告された時に「いつ死んでもいいなんて言わないで!」って泣いてあげられたかな?と申し訳なく思う。