「『両想い』と『つきあう』は違う」問題
反抗期が恋をしているらしい。
なんか自分から言ってきた。
母親にそんな話するの、抵抗ないのかしら。
これがイマドキの子ってやつなの?
Z世代ってやつなの!?
私の小中学校時代の男子は
「女子と仲良くするなんてだせえ」
って感じだったし、
恋愛話を親とするなんて考えられなかったけど…。
まあ、それは置いておいて。
反抗期と私の会話。
「Pとさー。誰のこと好きかって話してたんだけどさ」
「へえー。女子とそんな話するんだ」
「お互い、好きな人のヒント出し合ってたんだけど。クラスとかイニシャルとかいろいろ。で、Pの好きな人って、俺じゃね!?って感じなんだよねー」
「そ、そうなんだ…。で、あんたはどうなの?Pが好きなの?」
「それは…秘密だけど…」
いやいやいや。
絶対、Pのこと好きでしょ、あんた!!!
わかりやすく浮かれてるじゃないのよ!!!
まあ別にいいけど。
それから毎日、毎日、反抗期の嬉しそうな報告が続いた。
私も最初こそ楽しかったものの、毎日同じような「二人の探り合い」の話が続くので、ちょっと飽きてきた。かけてやる言葉も思わず棒読みになる。
「あーそれって、きっとあんたのことだよー。
もうPに告っちゃえばいーじゃーん」
すると反抗期は
「別に、俺の好きな人がPだとは言ってない!!」
とか言ってくる。
母親に言いたいのか言いたくないのか…どっちやねん!
そしてある日、二人に進展があった。
反抗期が帰ってくるなり、興奮気味に報告してきた。
「Pに
『ねえねえ、反抗期の好きな人って…もしかして私?』
って言われたんだけど!!!」
Pも勝負に出たなー。いや、確信したのか!?
さすがにこの展開には私も興奮した。
「で!?あんたは何て答えたわけ!?」
「『次、移動教室だ』って言って、逃げた」
いくじなしか、おまえは!!!
さらに翌日。Pは
「私の好きな人は…反抗期だよ」
とはっきり告白してきたらしい。
(前日はぐらかされたのに、なんてメンタルの強いおなごだ…)
「で!?返事は!?」
「ちょうど、友達に呼ばれたから逃げた」
・・・・・・・・バカなの?
二度逃げるとか、ないだろ!!!
結局、Pのことが好きだったらしく、めでたく「両想い」になったようなことを私にほのめかし、今度二人で遊びに行く約束をしたという反抗期。
「へぇ~。よかったじゃん。彼女できて」
「彼女いねえし」
「え・・・Pとつきあうことになったんでしょ?」
「両想いとつきあうは別だから」
・・・どういうこと?
「好きです」「私もです」
と言いあった男女は「彼氏彼女」ではないの!?
私が間違ってるの!?
「両想い」≠「つきあっている」が常識なの!?
そもそも、二人で遊びに行くというのを「つきあってる」というんじゃないの?
お互い好きで遊びには行くけど、二人はただの友達なの!?
誰かに「つきあってる人いる?」って訊かれたら「いないけど、両想いの人はいる」って答えるの!?
なにそれ、怖い!!!