がんとオムツと反抗期。

ステージⅣの肺がん患者の義母と認知症疑いの義父、思春期の子どもに囲まれたもやもやを吐き出すために書いてます

ほんとに折れるもんなんだ、大腿骨・・・

朝3時にチャイムの音で起こされた。

(誰や!まだ外、真っ暗やんけ!!!)

ほとんど夢の中にいてぼんやりしていると、チャイムが連打された。

ぴんぽぉぉぉぉん、ぴんぽん、ぴんぽ、ぴんぽ、ぴんぽ

 

(・・・まさか、お義母さんかお義父さんになにかあった!?)

インターフォンに出ると、お義父さんが

「おかあさんが倒れた・・・」

 

急に目が覚める。

 

とりあえず、夫とともに両親の家に走る。

 

「倒れた」というのは「気を失って倒れた」ではなく「転んだ」という意味で、お義母さんは台所に転がっていたものの、意識はあった。

 

「トイレに行こうとしたらふらついて、手すりにつかまろうとしたんだけど、つかめなくて転んで、左の太ももを打った」

 

という話だった。

 

頭は打っていないということだったので、夫がお義母さんを持ち上げようとする。

 

「痛い!!!」

 

「え!?ほとんど何もしてないけど!!!」

 

ほんのちょっと動かすだけで足の付け根が痛いらしい。

 

(これは・・・骨折では?)

 

動かなくても常に痛むわけではないんだけど、痛くない体勢から少しでもずれると痛いらしく、立たせることはおろか、座らせることもひきずって運ぶことすらできない状態。

 

仕方ないので、台所まで布団を持ってきて、なんとかお義母さんの身体の下にもぐりこませ、とりあえず朝を待つ。外科の先生が病院に出てくる時間まで。

 

病院に連れて行く・・・って言っても、動かせないんじゃどうしようもない。

車いすにも乗せられないし、そもそもエレベーターもない四階に住んでる状態で

どうやって・・・。

これはもう救急車しかない。

 

今日の予定はあきらめて、救急車に付き添わないと、と思っていたら、夫がつぶやいた。

「行きは救急車だとして。病院から帰って来たら、俺がおぶわないと階段上れないし、今日は仕事休まないとだな・・・」

 

(え?この人・・・今日中に帰れると思ってるの?どう考えても入院でしょ、入院!)

 

で、夫は救急車でお義母さんと病院に向かった。

 

救急隊員もレントゲンを撮るまでもなく「骨折」と判断していたらしく、これは入院…手術でしょうね、と。足が変な方向に曲がっている、と。

 

結局、診断は大腿骨転子部骨折。

高齢者にほんと多いらしい。

緊急手術決定。

ボルトで折れた部分をつないで強制的に立ったり歩いたりできる状態にして、このまま寝たきりになって早死にするのを阻止するためのものらしい。

 

手術をしても元のように歩けるようになる保証はないとか。

 

そこで私はあることを思い出した。

 

そういや前に・・・

 

樹木希林が全身がんで大腿骨を骨折して一か月かそこらで亡くなったような・・・

 

 

調べてみた。

・身体の中心に近い大きな骨を骨折するほど死亡率が高い

・高齢であるほど死亡率が高い

・基礎疾患があると死亡率が高い

 

とあるサイトには大腿骨を骨折すると20%の人が1年以内に死亡すると書いてあった。

 

 

(あー・・・・・・せっかくがん治療は順調だったのに・・・)

 

帰ってきた夫は「骨折ですんでよかった」とのんきなことを言っている。

 

私は思わず

「がんで高齢で骨折なんて最悪なパターンだよ。だからポータブルトイレを部屋に置いて、夜中はそこでするように勧めたのに・・・」

と詮無いことをつぶやいてしまう。

 

 

「おまえ・・・『詰んだ』って思ってるだろ?」

 

「お、思ってないよ!(思ってるよ!)」

 

お義母さんは手術して2~3週間の入院後、リハビリ病院に転院になるそうな。

 

やっちまったもんはほんとどうしようもないけど、もっと予防策が取れたんじゃないかと思うと残念すぎる。

 

後悔先に立たず。

まずは夫とお義母さんの希望を失わせるような発言は慎む(反省)

それから退院後の対策を考えよう。

 

 


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