おばあちゃんが肺炎になった
父からLINEが来た。
「おばあちゃんが肺炎で入院した。
高齢なので万一のことも覚悟しておいてください」と。
90を過ぎて認知症も進み、施設に入っていたおばあちゃん。
(とうとう来たか…)という感じだった。
うちは割と長生きの家系なのか、母方の祖父母も父方の祖父も90くらいまで普通に生きた。でもやはり「100歳の壁」はなかなか越えられないらしい。
(元気だし、100歳いけるんじゃない?)
と思っていたおじいちゃんも95歳くらいでぽっくり逝ってしまった。
父のLINEの後、毎日、毎日スマホが鳴るたびにどきどきした。
あれから1週間。
なんの連絡もない。
なんとなくだけど、肺炎にかかったら、3日くらいが峠でそれを超えられたら、あとは元気になるのかなーくらいに思ってて。
(1週間も連絡がないってことは元気になってきたのかしら)なんて思い、LINEしてみた。
「おばあちゃんの具合はどう?」
「声をかけると目を開けてうなずいたりはする。
でも先生の話では、状態は少しずつ悪くなってきてるとのことです」
少しずつ…悪く…。
そんなものなのか…。
なんか全然認識が間違ってた。
ぐわーっと熱が出て、咳が激しくなって、点滴やなんかでそれが落ち着けば、お医者さんが
「峠は越えました」
とかなんとか言うものとばかり思ってた。
そんな簡単なものじゃないのか…。
食事もあまり取れなくなっているらしい。
おばあちゃん…。そっか…。
最後に会ったのはいつだっけ?
コロナになって帰省すらできなくなって、かなり会っていないかも。
父への返事に迷う。
「早くよくなるといいね」
がいいんだろうか?
でも
(肺炎が治って、これからまた少し長生きして…それで?)
って気持ちが出てきてしまって、
なんて返事していいのかわからなくなった。
肺炎が治っても元気になるわけじゃない。
ほとんどの時間を椅子に座って半分居眠りしたように過ごすだけ。
それでも
「持ち直してほしい!」と父は思っているだろうか?
それとも
(十分長生きしたから、そろそろ楽になってほしい)と思っているかな。
なんか難しい。