これを読んだら、老いるのが心底怖くなった
『認知症世界の歩き方』
何冊も認知症関連の本を読んだけど…これは怖い。
子どもができてパパママ教室とかに行くと
「妊婦さんを体験しましょう」
とか言って、パパがお腹に砂袋みたいなのをつけられるじゃないですか?
(なぜかおっぱいもついてたりするスーツ)
あんな感じ。
でもパパママ教室みたいに幸せな気持ちにはならない。
この本を読むと、認知症を疑似体験している感覚になる。
だから怖い。客観的に読めない。
本にはこんなことが書いてある。
「棚に食べ物をしまう→目の前から消える→記憶からも消える」
そっか。だからお義父さんは何度も同じものを買ってきてしまうのか…。
「分類ワードがわからなくなる」
子どもが小さい時によくやる「仲間分け」
りんご、バナナ、メロン、ぶどう、ゴリラ。
仲間外れはどれかな?ってやつ。
ゴリラはさすがに分かるだろうけど、塩が「調味料」だということがわからなくなる。
店に行っても、品物を探せなくなる。
「形や大きさ、微妙な色の違いがわからなくなる」
それで壁と床とドアの区別がつかなくなったり、ドアノブが認識できなくなったりするらしい。
「トイレのドアがない!!!」って永遠に探し続けるとか…怖すぎる!
「体内時計が狂う」
パスタのゆで時間が例えば7分だとして。
なんとなく(5分たったかな?そろそろかな?)って普通は感覚でわかる。
その感覚がずれる。30分以上経ってから(そろそろかな)と思う。
下手すると火事だよね…。
などなど。
単なる「物忘れ」ってことじゃなく、脳細胞が少しずつ壊れて、できたはずのことができなくなる感じ。しかも自覚がある…怖い!!!
これはでも読んでよかった。
怖いけど、いきなり全部できなくなるわけじゃないから。
(全部できなくなることもあるかもだけど)
それにお義父さんがもし(はー!?どうしてそうなった!?)という行動をとった時に理解ができる。
(あ。お義父さんの脳内では今こういうことが起きてるのねー)って。
理解できて全て許せるってわけじゃないだろうけど。
(イライラはするよね、きっと)
でも全然知らないよりは優しくなれる。
認知症のことを知りたかったら、まずはこれを読めっていう1冊でした。