介護されるとはプライベートをさらけ出すこと
ケアマネPさんが義理の両親の家にやってきた。
Pさんは小柄な女性だった。
まずは家の様子を見てもらう。
「手すりがあったほうがいい」とか「入浴用の椅子を」とか「ベッドに柵を」とアドバイスされる。
ケアマネージャーの仕事は実際の暮らしの様子、患者の様子を見て「介護計画」みたいなのを立て「訪問看護師(あるいはヘルパー)の手配」や「介護用品の会社を手配」してくれたりするようだ。
家をひととおり見たら、お次は患者の周辺情報の聞き取り。
これがかなり細かい。
「どこの学校を卒業して、どんな仕事をしていたか」
「兄弟は何人で性別は?生死は?」
「年金の受取額はいくらか?」
「何時になにをしてすごしているのか?」
「普段はなにを食べているのか?」
個人情報さらけ出しまくり。
それからサービスごとにいくらくらいかかりますよーっていうお金の話。
そして最後に、居宅支援事業所Qとの契約を交わす。
「うちではこういうことをやりますよー」
「かかるお金は事前にお伝えしますよー」
「困ったことがあったらなんでもいってくださいねー」
「クレームも受け付けますよー」
みたいなことが契約書には書いてあって、6ページくらいあるのをだーって早口で説明される。
お義父さんが代理人としてお義母さんの名前で契約する。
お義母さんの名前書いて住所書いて、自分の名前書いて住所書いて、日付書いて、ハンコ押して…っていう作業が何度もある。
やっと終わったと思ったら、Pさんは「次があるので」と、風のように去っていった。
勝手な想像だけど、Pさんとお義父さんは相性が悪そうな気がする…。
病院では主任を務めてましたって感じのPさんと、会社では上の役職だったお義父さん。
手すりの相談してる時に何度も
「そのうちにおとうさんにも必要になりますからね~」
と言われてむっとしていたような気がする…。
くわばら、くわばら。